社長の今月の一言
正しい判断は意外と簡単？

2023.03.01

　

　一月は行く、二月は逃げる、三月は去る。
　昔の人はうまく言ったもので、早くも三月となりました。寒さのピークも過ぎましたが、まだまだ寒い日が続きますので、体調管理はしっかり行っていきましょう。

正しい判断は意外と簡単？：

　先日ある経営者の方（O社長）にお会いしました。
　その方には、私が社長就任した時にもお会いしており、当時こんなヤリトリがありました。
　私：「これから社長として頑張って参りますが、O社長が社長として最も大切にしていることは何ですか？」
　O社長：「そうだなぁ…、大切なことはたくさんあるけど『正しい判断を積み重ねていくこと』が大切だと思うよ。」
　私：「正しい判断、ですか。常に正しい判断をし続けるのは難しそうですね。」
　O社長：「でも社長が間違えた判断をすると会社はあっという間に傾くからね。常に正しい判断とは何か？を考え続けることは大切だよ。」
　私：「分かりました！頑張ってみます！」

　これが5年ほど前の会話ですが、先日お会いした時にこの話を思い出し、話を切り出してみました。
　私：「私が社長になって丸5年が過ぎました。今でも5年前にO社長に言われた正しい判断を考え続けています。やっぱり難しいですね。」
　O社長：「そんな話もしたねぇ。でも意外と『正しい判断』というのは簡単なことかもしれないよ？」

　O社長はニコニコしながら、あっさりとこう言われたのです。
　正しい判断をし続けることは難しい、と思い込んでいた私にとって、この言葉はとても意外で、ハッとさせられました。
　確かに「正しい判断」を難しく考えすぎれば、これほど難しいことはないように思えます。
　しかしO社長に「意外と簡単だよ？」と言われた瞬間に、急に簡単なことのように思えたのです。
　人間というのは不思議なもの、というよりなんと思い込みの激しい生き物なんだろうと、自分自身に呆れてしまいました。
　三和の経営理念やフィロソフィを純粋に理解して、愚直に実行すればいい。単純なことだったのです。

日本経営品質賞（ＪＱＡ）で更なる気づき：　　

　「正しい判断は意外と簡単かもよ？」
　そんな言葉に目から鱗を落としていた私は、その後に参加したＪＱＡフォーラムで更なる気づきを頂きました。
　以前から参加していましたが、今回改めて気づいたのは「顧客価値経営」というテーマでした。
　お客様の価値を高めるという観点から自社を変革していくという意味ですが、私たちは本当にお客様の価値を高めるような取り組みができているだろうかと改めて考えさせられたのです。
　変化の激しい今の時代、お客様が求められている価値はドンドン変化しています。
　その変化を見逃さず、お客様が必要としている価値を私たちは提供できているだろうか？
　今まで通りの価値、私たちができる範囲の価値だけを提供して良しとしていないだろうか？
　いつの間にか価値の判断基準をお客様ではなく、自分に置いてしまい、少しずつミスマッチを起こしていないだろうか？
　これらの問いに、皆さんはどのように答えられますか？

今やるべきことを確実にやること：

　今までやるべきことをやってきていたかと問われれば、私は「まだまだ不足している」と言わざるを得ないと思っています。
　いろんな理由をつけて、後回しにしてきたことがたくさんあります。
　どのような環境になっても強くたくましく、そして明るく愉しく求められる存在であるために、今まで何をすべきだったのか？そして今何をするべきか？
　少なくとも今まで通りのことだけをやれば良いということではないはずです。
少し先の変化に対応すべく、今すべきことを考え「まず、やってみる」こと、それが将来「あれは正しい判断だった」と言えるもとになるのだと思います。