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社長の今月の一言
経営計画書とは何か?

2021.10.05

方針発表と全社員に配布される経営計画書

少しずつ気温湿度ともに下がり、過ごしやすい季節になってきました。天高く馬肥ゆる秋、皆さまは元気にお過ごしでしょうか?

これから台風シーズンになってきます。しっかり情報を掴み、早めの対策ができるように努めていきましょう。

経営計画書とは何か?:

先月号の巻頭言で、日本と中国で行われた経営方針発表会をご紹介しました。
経営方針発表会は、全社員を対象に年一回行われる三和電業グループ最大のイベントです。

前期一年間を振り返り、今期一年をどのような方針で経営していくかを全社に発表する重要なイベントです。そこでメインテキストとして使われるのが経営計画書
経営計画書は、毎年大変なコストと労力をかけて作成されるのですが、
・なぜ、そこまでして毎年作成するのか?
・なぜ、全社員に配布されるのか?
・なぜ、経営計画書が重要なのか?

考えてみれば不思議というか、非合理的なようにも思えます。今回は改めて、経営計画書について考えていきたいと思います。

「全社員経営参加」の基盤:

まず結論から申し上げれば、経営計画書とは「全社員経営参加を実現する基盤でありツール」となります。 三和では新卒で入ってきた新入社員も含めて、高い経営者意識を求められます。それは社長が何を考えて経営しているかもさることながら、役員や部門長、直属の上長や仲間全員、更には先人も含めて、どのような考え方で行動し、何を指標として仕事をしているかを深く認識することが重要になってきます。

今までの巻頭言で繰り返し話をしてきた経営理念やフィロソフィに基づいた考え方や行動がその基礎になりますが、それをはかるモノサシが経営には必要です。

そのモノサシが三和の「K率(経営率)」なのです。 このK率は現会長が若かりし頃に編み出した三和オリジナルの経営指標であり、仕組みはとてもシンプルで、次のような式で表すことができます。

K率=(限界利益-固定費)÷固定費×100(%)

つまり「どれだけの固定費を投入して、どれだけの利益を上げたか」という考え方なのですが、社長から新人まで、全社員がこのK率をモノサシに経営している訳です。

現場が絞り出した成果が積み重なって部門のK率となり、会社のK率となり、グループ全体のK率となる。

つまりすべて繋がっていて、一体のものなのです。

その成果を毎月の月次決算で共有し、年一回の経営方針発表会で共有する。全社員に高い経営者意識を求める以上、経営はガラス張りでなければならないという考え方をしているのです。

もちろん、経営計画書を全社員に配布することにはリスクもあります。しかしそのリスクよりも、全社員が高い経営者意識を持ってくれることの方がずっと大事です。

経営計画書の構成:

このような考え方から経営計画書を毎年作成し、全社員に配布しているのですが、では経営計画書の中身はどうなっているのでしょうか?概略のみですが、簡単に説明していきたいと思います。

・社長所信:前期一年間の成果と反省
・中長期経営方針:3~5年後の経営を考える
・ビジョン:三和電業グループのありたい姿
・今期経営方針:グループ全体の方向性と目標数値
・部門方針:部門の目標数値、成果目標、行動目標
・部門組織プロフィール:部門経営の考えの枠組み
・個人方策:全社員の前期振り返りと個人目標

このようにグループ全社から個人に至るまで全体を網羅しているのが経営計画書であり、全社員経営参加の基盤となっているのです。

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