今月の一言
社長の今月の一言
AIの脅威に打ち勝つ「美意識(感性)」
2021.11.04
10月も中旬を過ぎた頃から急激に寒くなってきました。特に朝晩の冷え込みはこたえますね。この季節は体調を崩しやすくなりますので、皆さんも体調管理は万全に、冬本番に備えていきましょう。
今回のTOP研修のテーマは…?:
さて、今年もやります、TOP研修!ということで、毎回どのようなテーマが社員の皆さんのお役に立つかと悩み、考えている訳ですが、今回のテーマは「美意識(感性)」にしました。
そうです。6月号の巻頭言で書いた「精神を鍛え、感性を磨く」を研修テーマにしたのです。我ながら難易度の高いテーマを設定したなぁ…と思いますが、大切なことは社員みんなと共有したい!そんな思いでテーマを決めました。
とは言え、いきなり「美意識が大切だー!」と言われてもビックリしてしまいますよね。そこで本題に入る前振りとしてもう一つテーマを設定しました。
それが「AI(人工知能)」です。今回はこの前半のテーマについてご紹介したいと思います。
「AI vs 教科書が読めない子どもたち」:
はじめに、私はAIに関して詳しい訳ではありません。ただ新聞や雑誌で「AIが来る!」「AIが人間の仕事を奪う!」と騒がれる中で、人並みに危機感を持っている程度の人間です。
そんな私がAIをテーマに話をするために、今回は新井紀子さんの著書「AI vs 教科書が読めない子どもたち」(東洋経済新報社)を参考にしました。
AIに関する見解はいくつか存在しますので賛否両論ある本ですが、客観的かつ冷静にAIについて語られ、これから我々人間が考えるべき方向を示唆する本になっています。
「AI」と「AI技術」:
AIとは【Artificial Intelligence】の略で、日本語では【人工知能】と訳されます。人間のような知能を持ったコンピュータと言ったイメージですが、実は明確な定義はないようです。 同時に「AI技術」というものがあります。音声認識や自然言語処理、画像処理など、AIを実現させるために開発されている様々な技術がAI技術です。
例えば多くの人が使っているiPhoneに搭載されているSiri(シリ)は、AIそのもののように言われていますが、これはバーチャルアシスタントというAI技術です。
私たちが会話の中でAIという言葉を使う時は、このAI技術のことを表現していることが多いそうです。
AIに仕事を奪われる未来は来るのか?:
では、よく言われる「AIが人間の仕事を奪う!」という未来は来るのでしょうか?
まずAIが人間のすべての仕事を奪うということはないと言われています。しかし人間の仕事の多くがAIに代替される未来は、すぐそこまで来ています。
2013年にオックスフォード大学の研究チームが発表した資料によると、事務系やマニュアル化しやすい仕事を中心に、全雇用者の半数近くがAIなどに仕事を奪われるとされています。
そして残るのは、高度な読解力と常識、加えて人間らしい柔軟な判断が要求される分野の仕事だと、この本には書かれています。つまりこのような仕事が、AIの苦手分野だということです。
AI時代にも輝き続ける人材へ:
では我々人間は高度な読解力を身につけているのでしょうか?
そこで出てくるのが本のタイトル「教科書が読めない子どもたち」です。実は私たち人間も、それほど高度な読解力を身につけている訳ではない、というのがこの本の主張です。
そして読解力を鍛える方法は、いまだ科学的に証明されていないそうです。
更に、この本の出版(2018年)以降にもAIは進化し続け、すでに人間の読解力を超えるAIが開発され、ビジネス利用も始まってきています。
AI時代にも人間が輝き続けるためのキーワードは読解力。私はこれを「美意識(感性)」と言い換え、TOP研修のテーマにしました。
将来にわたり輝き続ける、その一助となるようなTOP研修を目指し、全力投球していきます。